ご相談事例

従業員の業務時間外の不法行為について会社はどこまで責任を負わなければならないのか


従業員が業務時間外に第三者に不法行為を加えた場合、会社はその責任を負わなければならないのでしょうか。先日、弊所の相談で問題となったのが、従業員が取引先関係者との酒席の場で口論となり暴行を加えて怪我を負わせてしまったという事案でした。

前提事実として、会社はその飲み会が開催されることを知らされておらず、業務の一環というよりはたまたま同じ現場仕事が終わった帰りに一緒に飲もうという感じで連れ立って出かけたとのことです。この点、法律論としては、この飲み会の席が「事業の執行につき」と評価できるのであれば、会社は民法上の使用者責任を負うこととなり被害者からの賠償請求に応じなければなりません(民法715条)。もっとも事実関係としては、この飲み会の席は、業務時間外であり、会社の指揮命令下で発生したわけではありません。

ではどのように判断されるのでしょうか。もし裁判になれば、難しい判断になると考えられますが、古い最高裁判例(最判昭和40年11月30日判決)では、「被用者の職務執行行為そのものには属しないが、その行為の外形から観察して、あたかも被用者の職務の範囲に属するものとみられる場合をも包含する」と判示されており、本来業務との時間的・場所的近接性や被害者との間の関係性などが判断を決めるポイントとなりそうです。

なお、今回の相談事案では、会社が被害者に慰謝料(見舞金)を支払う形で無事解決に至りました。

 

弁護士 市村陽平


お気軽にご相談ください。
TEL 0564-26-6222
平日 9:00~18:00(土日祝休) ※事前のご予約で時間外も承ります。