ミネベアミツミ会長の貝沼由久さんが、日経夕刊のあすへの話題の中で「弁護士と経営」というテーマで執筆されていました。貝沼さんは日本とニューヨーク州の弁護士資格を保有されていて、もともと弁護士実務も経験されていたようです。
その貝沼さんが、司法試験や弁護士の経験が現在の会社経営にどのように活かせているのかを振り返り、「最も良かったことは、法律の「総論」と「各論」の考え方によって・・・経営戦略と執行事項を体系的に捉えられることだとおもう。」と述べられていたところに大変共感しました。刑法や民法を学ぶ際に基本中の基本となるのが、この総論と各論という法体系の位置付けです。この考え方は、文章を書く際や複雑な物事を考える際にとても役立ちます。
この他に、「会社経営ではベンチ・マーキングなど優れた他社の例から学ぶことが定石となっているが、これは司法試験の答案練習で模範解答や合格者の成功談に学ぶことと同じだ。」と述べられていて、受験時代を懐かしく思い返しました。私も弁護士業務の他に会社経営に携わっているのですが、普段あまり意識していなかった点を、書き起こされた文字を通して顕在意識まで高めてもらえたので、これからの業務に活かすことができそうです。
弁護士 市村陽平