ご相談事例

修理代金請求事件の終結【全面勝訴】


唐突ですが、世の中には理不尽な出来事がたくさんあります。慰謝料を支払うと約束したのに払われない、商品を買ったのに現物が送られてこない、といったように。今回、私の依頼人(自動車修理業者)が経験したのは、同業者から「自分の技術では客から預かった事故車両の修理ができない」と泣きつかれたので仕方なく修理を請け負ったのに、修理を施し相手に車両を引き渡しても修理代金を一切支払ってもらえないという理不尽でした。事件の相手の同業者は、客から修理代金を満額(しかもこちらの請求額を上回る金額)受け取っていたにもかかわらず。

裁判での相手の主張は、控え目に言って支離滅裂でした。「自分は修理を依頼した覚えはない」「修理代金がかかると説明を受けたことはない」など、あまりに無責任な主張が展開されました。期日の場面でも、裁判官を前に罵詈雑言を浴びせる始末。このような裁判を約1年半、調停まで含めると2年以上続けて、ようやく先頃判決が言い渡されました。結果は、(当然ですが)こちらの請求の全面的認容です。判決中には、相手方の主張に対して、「明らかに合理性を欠いており、到底採用できない」との一文もあり、少しだけ気分が晴れやかになりました。

決して、社会的耳目を集める大きな事件ではありませんが、目の前の事件解決を通じて、依頼人の無念を晴らし日常生活の秩序と安定を取り戻すことも、弁護士に課された使命である社会正義の実現に資する活動なのだと実感した裁判でした。

 

弁護士 市村陽平

 


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