何かと世間を賑わせている某宗教法人の解散命令のことではなく、古くから地元に根付いて活動してきた寺院も、後継者不足や檀家離れといった原因で、近年、解散手続に踏み切るケースが増えてきています。
基本的に、宗教法人の解散は、宗派ごとの規則に基づき手続を踏んでいくことになりますが、最終的に頭を悩ませる問題点はどの宗教法人もよく似通っています。よく相談を受けるのが、①相続人が多岐にわたり追っていけない(残余財産の帰属先が不明)、②境内として使用する土地が他人名義となっている、③境内地と隣地との境界が明確でない、④境内の一角に寂れた無縁墓地があるため土地を処分できない、⑤本堂を解体するだけの費用が捻出できない、などなど。
この中で、法的に解決できる問題もあれば、解決できない問題もあります(典型が⑤の費用面の問題)。また、よく間違ってやってしまいがちなのが、④無縁墓地の取扱いです。石塔も倒れていて外見上は墓地の体をなしていないような場合でも、墓地登録(あるいは、みなし墓地)されているのであれば、法律上(施行規則上)は改葬という手続が必要となります。この無縁墓地の改葬手続には、官報公告であったり立札の設置であったりと、いろいろ手間と期間を要します。
宗教法人を解散する上で、勝手に墓地を整地して処分してしまうことは墓地埋葬法に違反することになりますので、くれぐれも注意が必要です。
弁護士 市村陽平