今年の4月に施行された新制度の所在等不明共有者持分取得決定の申立てをしました。申立ての際に裁判所書記官に尋ねたところ、岡崎支部での申立件数は、同時期に施行された類似制度を含めてもまだ一桁のようです。

今回の案件については5月頃から申立ての準備をしていましたが、共有者が多く、申立人以外の共有者が、当該所在等不明共有者の連絡先を知らないかどうかの調査に時間を要したため、申立てまでに2か月程度かかりました。弊所では、日頃から不動産関係の相談が多く、その中でも共有問題に特化した専門チームも作っているため、今回の事案がうまく処理できれば、従来の共有問題の解決手法よりも低コストで大幅に時間短縮ができるのではないかと考えています。

新制度が始まったばかりで参考文献も少ないことから今回は試行錯誤を経ての申立てとなりましたが、今後、申立てから決定までの時間軸や裁判所の求める資料の確度などがある程度把握できれば、弊所にとってはかなり使い勝手のよい制度になるのではないかと期待しています。

弁護士　市村陽平