ご相談事例

株主総会の運営をめぐる実務上のトラブルについて(3)


株主総会を開催するにあたって、総会に出席する人が株主本人であれば問題ありませんが、株主から委任された代理人が出席した場合に、質問や議決権行使を認めてよいのか悩むケースがあります。

多くの会社では、定款上、株主総会に出席できる代理人資格を株主に限定していると思われます。例えば、高齢のため総会に出席できない株主が、同じく株主である子に委任するというケースは何ら問題ありません。それでは、法人が株主となっている場合に、その従業員に代理権を付与して出席させたり、代理人弁護士を立てて総会に出席しようとした場合はどうでしょうか。

厳密に言えば、代理権を与えられた者は、どちらも株主ではありません。しかし、最高裁判例では、前者の事例において、「総会が株主以外の第三者によって攪乱される」おそれがないとして、株主ではない従業員による議決権行使を許容しました。また、弁護士が代理出席しようとした事案では、下級審レベルで判断は割れていますが、最高裁が定立した規範に則して、総会が攪乱され会社の利益が害されるおそれがないのであれば、出席を認めなければなりません。

この判断を間違えてしまうと、後々、総会決議取消し事由となりかねませんので、注意が必要です。

 

弁護士 市村陽平


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