ご相談事例

改訂コーポレートガバナンス・コード


JPX(日本取引所グループ)が改訂版コーポレートガバナンス・コードを正式に公表し、6月11日から施行されることとなりました。今回の改訂のポイントは、①取締役会の機能発揮、②企業の中核人材における多様性の確保、③サステナビリティを巡る課題への取組みという3点にあると説明されておりますが、その中でも注目は、①ではないでしょうか。

具体的な内容としては、独立社外取締役を3分の1以上選任すること、指名委員会・報酬委員会を設置すること、いわゆる取締役のスキルマトリックスを公表することが盛り込まれています。証券取引所としては、これらの改訂を通じて企業の持続的成長を実現しようと考えているようですが、ガバナンスを強化することにより、本当に企業の成長や価値の向上が実現できるかは未知数といえます。近時の報道でも、社外取締役が3分の1以上の上場企業と3分の1未満の上場企業の自己資本利益率(ROE)を比較しても、むしろ中央値としては後者の方が高く、相関関係は見えづらいとの結論が指摘されていました(日経5.29朝刊)。

個人的には、今回の改訂は、企業の持続的成長や価値向上という視点よりも、株主の会社に対する信頼にこそ着目すべきだと考えています。最近の東芝関連の報道を見ていても、一部の少数株主や外国人株主への不当な待遇がまだまだ改善されていないことがよくわかります。今回の改訂を機に、対株主との関係で会社が最も重視すべき「株主平等の原則」を徹底して、上場企業への信頼回復を図るべきでしょう。また、外部から社外取締役の適性を正確に判断する上でも、できれば取締役のスキルマトリックスについては「国際ビジネス」とか「財務・会計」など項目だけに印をつけるのではなく、各取締役の経験や素養が具体的にわかるような補足の説明も加えていただければと思います。

私も、初めて会う顧客に対しては、弁護士としてどのようなサービスを提供できるのか、細分化したスキルマトリックスを説明するよう心がけています。

 

弁護士 市村陽平


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