ご相談事例

保全処分からの法務デューデリジェンス


3月に入って最初に不動産仮差押えの事件に取りかかりました。仮差押えのような民事保全手続は、通常訴訟とは比べものにならないくらいの迅速性が求められるため、依頼を受けてから1週間程度で疎明資料をそろえて裁判所に申請し、決められた保証金を納める必要があります。

何とか無事に仮登記までついてホッと一息つく間もなく、次は企業のM&Aの法務デューデリジェンスに着手しなければなりませんでした。通常のスケジュール感でいくと、法務DDは最初の打合せから1か月程度の期間をかけて仕事を進めますが、今回は資料開示→調査→インタビュー→報告書作成までに与えられた期間が2週間と短く、時間的余裕がまったくありませんでした。この間、新規相談は受けず、裁判や調停期日をこなしながら、売手から開示された資料を調査するという日々でした。

一連の手続の中で、今回、戸惑ったのがマネージャーインタビューです。これまで、コロナ禍になってからもマネインは対面で行っていましたが、今回は売手が遠方で日程調整も難しいということもあってオンラインで実施することになりました。裁判や研修でのオンライン会議は慣れていても、DDのマネインは正直やりづらかったというのが実感です。将来的に証人尋問がオンライン化されると、おそらく同じような印象を抱くことになると思いました。

そして、マネイン後5日で報告書を作成して買手に報告し、今週末、無事に合意書の取り交わしに至りました。こうして私にとっての激動の3月が終わろうとしています。4月はしっかりと地に足着けて落ち着いた環境で仕事を進めたいなと考えているところですが、さてどうなることでしょう・・・

 

弁護士 市村陽平


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