ご相談事例

株主総会の議事対応について


グロース市場上場企業であるジーネクスト社の株主総会での議事運営が波紋を呼んでいるとの報道を目にしました(R6.8.5日経朝刊)。もともと創業株主と現経営陣との間で総会に至るまでに小競り合いが続いていたようですが、記事によると、定時株主総会の場で約35%の株式を保有する創業株主が、議事冒頭に議長不信任動議を提出したにもかかわらず、議長は長時間これを取り上げず、議場では質疑応答が繰り返され時間ばかりが過ぎていったとのこと。その後、総会開始から2時間ほど経過した時点で、議長が「会場の使用時間がない」と株主に告げ、総会を流会にしてしまったそうです。

私も過去に出席した株主総会で修正動議が乱発され、議事の取り回しの助言に苦労した経験がありますが、さすがに上場企業の総会の場で「会場の使用時間がない」との理由で流会になるとはにわかに信じられません。代表取締役でもある議長には、創業株主からの議長交代やその後の役員選任の修正動議に対して、保身の考えが念頭にあったと疑わざるを得ないのではないでしょうか。

ジーネクスト社では、この後、第三者割当増資をめぐって司法の場で争われることになるようですが、その前提としての株主総会の議事進行のあり方についても争点となれば、他の会社にとっても一定の指針となり、今後の総会運営に活かせる気がします。

 

弁護士 市村陽平


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