弊所では、現在、法人や事業者の廃業支援を複数件抱えています。そのうち、1件は会社法上の特別清算手続を予定しており、もう1件は経営者保証ガイドラインの利用を前提とした特定調停手続を検討しているところです。
一口に廃業支援と言っても、破産、特別清算、特別調停、私的整理、地域経済活性化支援機構による特定支援制度など様々あり、現在では手続が非常に多様化しています。支援に携わる弁護士としては、数ある手続の中から、会社の負債額や経営者保証の有無、従業員数、取引先との関係性など細かく分析して、早期に最適な手続を選択することが重要となってきます。
もちろん、早期に相談を受け、負債処理が不要な事案(資産超過の事案)では、まずは事業承継を検討していくのですが、買い手が見つからなかった場合や数か月先には債務超過に陥るような場合には、上記手続を見据えて同時並行で進めていかなければなりません。どの手続を利用するかによって、必要となる費用や手続終了までの期間も異なってきますので、その意味でも廃業支援の第一歩として手続選択の見通しは弁護士の腕の見せ所と言えるでしょう。
折を見ながら、各種手続の相違点や解決に苦労した問題についても紹介していきたいと思います。
弁護士 市村陽平