疎遠になっている両親や親族が死亡した場合に、どのような遺産があるのか、誰が引き受けるのか手がかりが残されておらず相続人らが困惑することがあります。そんなとき、もしかしたら遺産発覚の一助となるかもしれないのが公正証書遺言の検索システムです。
公証役場で遺言を作成した場合、遺言者が生存中は遺言者しか検索できませんが、死亡後であれば法定相続人や受遺者も検索することができます。また、遺言を作成した公証役場に限らず全国どこの公証役場でも検索できるので利便性も備えています。
私も以前、成年後見人に就任した際、本人の母親が遺言を残していないか検索システムを利用したことがありました。そのときは見つかりませんでしたが、以後、遺産に関する手がかりがないという相談を受けた際には、相談者に利用をすすめています。
弁護士 市村陽平