ご相談事例

所有者不明土地問題に関連した民法改正(2)


共有物の変更・管理のルールについても大きく見直しされました。現行法では、①共有物に「変更」を加える場合は共有者全員の同意を必要とする、②共有物の「管理」に関する事項は各共有者の持分価格の過半数で決める、③共有物の「保存行為」は各共有者が単独ですることができる、という規定になっています。しかし、共有物に軽微な変更を加える場合にも共有者全員の同意が必要となると、数次相続などにより共有者が多数となっている場合などに支障を来すため、軽微変更の場合には管理と同様に持分価格の過半数で決定することができるように改正されました。

また、賛否を明らかにしない共有者がいる場合や所在不明共有者がいる場合に、共有物の管理が困難になるとの指摘を受けて、裁判所の決定を得た上で当該共有者以外の共有者の持分の過半数で管理や変更を加えることができるようになりました(※賛否を明らかにしない共有者の場合には、変更行為は不可)。

この他にも、裁判による共有物分割の規定として「賠償分割」が明文化されたり、所在等不明共有者の不動産持分を取得できる制度の新設など、共有物に関しては多岐にわたり改正されています。個人的にも不動産にかかわる事件を多く取り扱っているので、改正部分の見落としがないようしっかりとフォローしていきたいと思っています。

 

弁護士 市村陽平


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