ご相談事例

改正旅館業法の施行について


本年12月13日から改正旅館業法が施行となります。これまで旅館業法では、その立法経緯から伝染病罹患などの理由を除いて宿泊拒否が認められてきませんでしたが、業界団体による強い要望を受けてようやく新たな宿泊拒否事由の規律が加わることになりました。新たに加わった拒否事由の例としては、①不当な割引、契約にない送迎等、過剰なサービスの要求、②対面や電話等により長時間にわたり不要な要求をする行為、③要求の内容の妥当性に照らして当該要求を実現するための手段・態様が不相当なもの(暴言・侮辱・土下座の強要等)です。

他方で、障害者差別の助長を排除する観点から、障壁の除去を求める場合や、不当な差別的取扱いを受けたことを理由として謝罪を求める場合は拒否事由には該当しないという整理がされています。宿泊業界と障害者団体との長期に及ぶ話し合いの末に落ち着いた結論かと思われます。

実務対応として、宿泊業者が新たな拒否事由を理由として宿泊を拒んだ場合、その日時、拒否された者とその接遇の責任者の氏名、理由、経緯等を記載した書面等を作成し、3年間保存する必要がありますので、これを怠らないよう注意が必要です。

 

弁護士 市村陽平


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