ご相談事例

個人情報流出に伴う賠償額について(1)


2014年にベネッセコーポレーションから個人情報が流失した事件で、東京地裁が2月27日、同社に対して被害に遭った顧客一人あたりに賠償金として3300円(うち300円は弁護士費用)、総額約1300万円を支払うよう命じました。

この事件では、すでに何件もの裁判が提起されていて、過去には最高裁の判断も示されているのですが、いまだに次々と訴訟が起こされていることに驚きです。論点はいくつかあり、①そもそも業務委託先の従業員が顧客情報を持ち出して流出させていることから、ベネッセコーポレーションに注意義務違反はあったのか(責任論)、②住所・氏名・性別・生年月日といった情報が流失しただけで、その他財産的な損害が現実的に発生していない状況で損害賠償が認められるのか(損害論)、③情報流失したことによる慰謝料が発生するとして金銭的評価としてはいくらが妥当なのか(慰謝料額)。

特に、②と③については、他の企業にとっても同様の問題が発生したときに判決の考え方が参考になると思われるので、後日少し掘り下げて検討していきます。

 

弁護士 市村陽平


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