法務省が2024年3月の提言を目標に、遺言書をインターネット上で作成・保管できる制度の創設に向けて作業を進めているようです(R5.5.6日経朝刊)。自筆証書遺言については、新たに2020年から法務局での保管制度が開始されていますが、今回のデジタル遺言制度が実現すれば保管制度を上回るインパクトのある制度創設となるでしょう。
記事によると、「新制度では自筆遺言をパソコンやスマートフォンで作成しクラウドなどに保管する案がある」と紹介されていますが、本文を自筆で書いた上に署名押印まで必要とされている現在の制度を前提にすると、一気にそこまで飛躍するのか個人的にはやや懐疑的です。また、一般に高齢者が作成することの多い遺言について、デジタル化と馴染むのかも気になります。今後、どのような提言がされるのか注目していきたいと思います。
弁護士 市村陽平