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生成AIが司法試験の一部科目に合格水準!?


企業法務支援をするリーガルスケープが、オープンAIが公開するGPT-4をベースに独自開発した対話型AIに日本の司法試験(短答式試験)の問題を解かせたところ、会社法の科目で7割超で正解したとの記事がありました(日経R5.6.13朝刊)。リーガルスケープは、今回開発したAIの技術を同社の提供するサービスに組み込み、検索の精度や効率を高める狙いがあるようです。

最近何かと耳にする機会の多い生成AIについては、すでに東大入試や医師国家試験の問題を解かせたなどという話題が出ていましたが、司法試験の短答式くらいであれば、数年以内にはすべての科目で優に合格水準を超えてくると予想されます。他方で、司法試験の論文試験は、複雑な長文を読み解いて、重要な事実とそうでない事実を選別しながら論理的に解答を導かなければいけないため、すぐに合格レベルに達するのは難しいかもしれません。

そしてその先、個人的に思うのは、試験問題に正解するのと日常生活で生じる法律問題を解決するのとでは、大きな違いがあるということです。何というのか、社会で起こり得る問題というのは、どれひとつとして同じ条件が重なることはありません。ひとつ要素が加わるだけで結論が変わることも珍しくないのです。そのような中で、生成AIがどこまで法的分野に浸透していけるのか。この業界に身を置く一人としても注視していきたいと思います。

 

弁護士 市村陽平


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