ご相談事例

民事裁判のオンライン化について


2月20日日経朝刊「訴状ネット提出可能に」によると、現在、法制審議会で議論されている民事裁判のオンライン化についての中間試案がまとまり、2025年度から訴状のオンライン提出や口頭弁論のオンライン出席を可能とする運用開始を目指す方針とのことです。

名古屋地方裁判所でも昨年2月から一部の弁論準備手続などでWeb会議を実施していました。今までは、わずか5分の期日でも往復2時間かけて岡崎から名古屋まで行っていましたが、Web会議の導入により事務所にいながら手続に参加でき、大幅な時間短縮につながっています。記事によると、中間試案では弁論準備手続だけでなく口頭弁論までオンライン出席が認められるそうなので、初回の期日や尋問期日もオンラインで実現可能となるかもしれません。そうすると一度も裁判所に出向くことなく、すべてオンライン手続により判決が取得できるようになります。

周辺の社会環境と比べても大きく取り残されていた裁判制度のオンライン化も、25年度開始と聞くと間近に迫ってきた印象を受けます。いまだに連絡手段は郵送とファックスが中心で、手数料の納付は収入印紙と切手を購入して納めるという旧態依然とした司法界ですが、こうしてみると徐々に世間と標準化していくように感じられます。他方で、刑事事件については、記録のデータ化がまったく進んでおらず、相変わらず何千枚にも及ぶ紙ベースの記録を謄写しなければなりません。謄写した記録を保管するだけでも大変です。民事と並行して刑事裁判手続のオンライン化も議論してもらえると有り難いですね。

 

弁護士 市村陽平


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