ご相談事例

不貞慰謝料請求訴訟について


昨日は、裁判所で不貞慰謝料請求事件の証人及び当事者の尋問がありました。不貞慰謝料請求では、当事者が不貞を認めていない限り、直接不貞関係を認定できる証拠が乏しいことが多く、関係者の尋問が白黒を分ける決め手となります。また、単に金銭の問題だけではなく、人間の情にもからんでくることから、必然として尋問はドロドロとした展開になってきます。そのような中で、どれだけ冷静にポイントを絞って争点との関係で有利な証言を引き出せるか。

以前、岡崎の裁判所に赴任した裁判官が、「この地域の印象は?」と聞かれて、「不貞慰謝料の事件が多い」と答えていましたが(※おそらく質問者の意図とは違う答えだったと思います)、私の経験でもその傾向は当てはまっていて、相談ベースだけでも、年に5件以上は不貞がらみの相談を受けます。私の尋問技法も、不貞慰謝料訴訟で鍛えられたといっても過言ではありません。この先、人間社会がある程度人工知能に置き換わっても、人間が存在する限りこの種の紛争だけはなくならないのではないでしょうか。

 

弁護士 市村陽平


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