ご相談事例

空き家問題について


総務省の住宅・土地統計調査(2018年)によると、全国に空き家は849万戸あり、住宅総数に占める割合は13.6%、野村総研の予測ではこのまま空き家の取り壊しが進まない場合、2038年には31.5%に上昇するとの記事がありました(R5.1.16朝日朝刊)。

昨年も西三河の自治体などで空き家に関する相談が何件かありましたが、改めて統計調査の数字を示されるとその数の多さに衝撃を受けます。以前に私が対応した事案では、相談を受けた時点で法定相続人の数が100人を超えており、相談者は空き家を処分したくても身動きがとれない状況となっていました。本来は遺産分割を経た上で空き家の取得者を確定して処分していくことが望ましいのでしょうが、法定相続人が100人以上ともなると、分割手続をしている間にさらに相続が発生する可能性もあり現実的ではありません。倒壊の危険が高まり第三者に害が及ぶ切迫事案では、緊急事務管理として解体処分することも認められると思われます。

今後、国の方針として、適切に管理されていない空き家については税制優遇の対象から除外することも検討されているようですが、上記のように相続が絡んでくると、税金を支払って実際に管理している対象者だけでは解決できないことも多いため、空き家に関しては相続の仕組み自体を何とかしなければ減少に向かわないのではという気がしています。

 

弁護士 市村陽平

 


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