ご相談事例

不動産共有持分の取得について


令和3年民法改正によって、所在等不明者の不動産共有持分を取得する制度が新たに創設されました。この制度を使うと、一定の要件を満たせば、これまでのように共有物分割請求調停や訴訟を経ることなく、請求権者が相当額の金銭を供託することによって所在等不明共有者の持分を取得することができます。

その要件としては、①「共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない」こと、②所在等不明共有者以外の共有者から異議の届出がないこと、という規定になっています。ただ、前者の要件①については、どの程度の調査をして疎明資料を揃えればよいのかまだよくわかっていません。弊所では、現在、休眠状態の法人が所有する共有持分の取得を試みているのですが、解散はしていないものの登記上の本店所在地で活動している形跡がない法人(登記簿上の取締役は死亡)について、その状態をもって前記①の要件を満たすといえるのか、それとも会社非訟事件として仮役員選任の申立をしなければならないのか。

仮取締役の選任を申し立てた上で、共有物分割までしなければならないとなると、かなりの費用と時間がかかるので、こういう事案にこそ新制度が使えたらなと思います。

 

弁護士 市村陽平


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