ご相談事例

景品表示法の改正について(2)


令和5年に改正された景品表示法では、罰則規定についても大きな見直しが加わりました。これまでは、景表法の違反行為に対して、措置命令という行政処分の後でなければ刑罰を科すことができない仕組みとなっていたところ、措置命令を介さなくても直接的に刑罰を科すことができるよう制度が改められました(直罰規定の導入)。

また、課徴金に関しては、課徴金加算制度の導入(通常の課徴金は売上の3%ですが、過去10年以内に課徴金納付命令を受けた事業者が再度課徴金納付命令を受ける場合は売上の4.5%とされる)、課徴金減額制度の見直し(事業者が被害者へ自主返金する場合に金銭給付や銀行振込以外に電子マネーでの返金も認める)も行われています。

この他に、景表法違反に対する適格消費者団体への権利付与として、新たに資料開示要請制度も導入されることになりました。違反行為があった場合でも、いきなり消費者団体が介入してくることは滅多にありませんが、万が一、被害者が多数にのぼり適格消費者団体によって訴訟提起されるような事態に備えて、これまでよりも資料開示には積極的に対応する意識を持つ必要がありそうです。

 

弁護士 市村陽平


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